ニッケル加工事例
純ニッケルとニッケル合金の加工事例を紹介します。
純ニッケルは苛性ソーダ・塩素ガス等に優れた耐食性を示します。また、純Niは融点が1433℃であり、耐熱性にも優れています。
インバーはニッケル36%、鉄64%で構成される合金です。常温付近での熱膨張率がほぼ0に近い特性を持っています。その特性により、インバー(Invar)はInvariable steel(変形しない鋼)から名付けられました。インバーより熱膨張率が低い特性を持つスーパーインバーもあります。
コバールはニッケル29%、コバルト17%、鉄54%で構成される合金です。常温付近での熱膨張率が金属の中で低く、硬質ガラスに近いため、主に硬質ガラス封着用に用いられます。硬質ガラス以外にも、セラミック封着用、電子管、電子部品などで接合部材として使用されることもあります。
純ニッケル・ニッケル合金の代表的な特性
項目 | 純度 (%) |
嵩密度 (g/㎤) |
ビッカーズ硬度 (GPa) |
ヤング率 (GPa) |
融点 (℃) |
線膨張係数 (10-⁶/℃) |
熱伝導率 (W/(m・K)) |
体積抵抗率 (Ω・㎝) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
材質 | ||||||||
Ni | 99.0 | 8.88 | 0.638 | 200 | 1433 | 12.9 (RT) |
72.7 | 9.2×10-⁶ |
インバー | Ni 36% Fe 64% |
8.12 | 168 | 140~150 | 1426 | 1.2~2.0 | 13 | 75~85×10-⁶ |
コバール | Ni 29% Fe 54% Co 17% |
8.0~8.3 | 1.5~1.6 | 159 | 1,450 | 5.2~6.2 (RT) |
17 (20℃) |
49×10-⁶ (20℃) |
※詳しくは弊社加工材質ガイドをご参照ください。
素材特性を利用した用途
項目 | 特徴 | 用途 |
---|---|---|
耐食性 | ・純Niはアルカリ・窒素ガスに対する耐食性が高い | ・苛性ソーダ製造装置用材料 |
磁気特性 | ・純Niは透磁性が非常に高い | ・電波遮蔽材 ・トランスデューサー |
低熱膨張 | ・インバーは室温での熱膨張率がほぼ0に近い | ・時計の振り子 ・液化天然ガス(LNG)のタンク、パイプ ・ブラウン管シャドーマスク |
コバールは硬質ガラスに熱膨張率が近い | ・ガラスとの封着 ・セラミックスとの封着 ・光通信関連 ・真空管関連 |
加工可能なサイズ
項目 | サイズ(mm) | 項目 | サイズ(mm) |
---|---|---|---|
板 外寸 | 500×800×30 | 穴径 | Φ0.03~ |
丸棒 外寸 | Φ100×500 | 穴深さ | ~300 |
溝 | 幅0.1~ | 穴数 | ~10,000 |
段差 | ~100 | ネジ | M1.2~ |
純ニッケル・ニッケル合金加工事例
株式会社トップ精工
〒526-0105
滋賀県⻑浜市細江町1197-4
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